〜メグロの小部屋〜:カワサキ250・メグロSG カワサキ250・メグロSGはカワサキ移行直後、1964年12月より'69年まで販売された、メグロブランド最期となったモデル。 外観は従来のメグロスタイルに戻り、S−8にSGTのエンジンを載せたように見えるが、実際は逆で、SGTのフレームと機関にS−8 の外装をアレンジしている。よって、S−8に似てはいるが全くの別物で、部品の共通性も殆ど無い。 機関はSGT用に設計されていた248cc・単気筒OHV4サイクルで、従来のK5型エンジンから4馬力アップの18馬力、高速道路時代 の250ccクラスに適した性能を備える。特性は従来タイプの低速高馬力で粘りのある特徴を兼ね備え、S−8など実用車ニーズからの 乗り換えが進み、5年間ものロングランを記録する。 メグロブランドとしては最初の2年間だけ存在し、以降はカワサキ250SGとして販売され、ここにメグロの終焉を見る事となる。 メグロブランド仕様は、エンブレムがメグロウイングから「M・W」のマークを「川航」に変えた様式になり、エンジンロゴも「KAWASAKI」 であるが、他は「MEGURO」を残している。 カワサキブランド仕様となってからは、外観の違いは無いものの、エンブレムが「川航」フラッグとなってよりカワサキ色を強めた。これ は、カワサキ500・K2でも同じであった。 今でも、中古車として出てくる「メグロ」の殆どはこのSGである。それだけ現存数も多く、熱心な「メグロ」ファンには、「カワサキが 作ったSGはメグロじゃない!」などと言う方もいるが、作ったのがカワサキであって設計はメグロであるのだから、ここは「メグロ」の 車として扱うべきだろう。ただ、あまりにも倒産時点までの台数と比較してSGは多く、左シフトのエンジンなど「格下」に見られるのは 仕方ない。 わたしとしては、S−8の外観に高速走行にも適した安心なエンジンを持つSGを、「メグロ」入門車、あるいは気楽に使えるセカンド 「メグロ」として持つことが理想ではと思うが。 ・・・主要諸元・・・ ・全長:2050mm ・全幅:840mm ・全高:1035mm ・軸間距離:1360mm ・車輌重量:165kg ・機関型式:YKB171(SGE)型:単気筒OHV4サイクル ・総排気量:249cc ・最大出力:18.0HP/7000rpm ・最高速度:130km/h ・燃費:60km/リットル ・変速機:前進4段ロータリー ・タイヤ:(前)2.75×18−4 /(後)3.00×18−4 ・始動方式:セル・キック ・・・メンテナンスデータ・・・(登場時規定値) ・点火プラグ:NGK・B−6E ・バッテリー12V−18AH ・キャブレター:三国・VM24 ・エンジンオイル:容量・2.0リットル